第3流派の誕生~どちらからでも見える~

 早いもので、今年もあと1ヶ月です。年末に向けて、何かと忙しくなってきましたね。


 さて、本日は、お客様の要望から開発した製品をご紹介致します。(とはいえ、まだ、開発中の案件にはなるのですが・・・。

 今回の製品は、『KLM-L型』に関するものです。本題に入る前に、『KLM-L型』について少し説明したいと思います。この製品は、かなり古くからあるオイルゲージの形状となっており、長らく、ご愛用いただいているお客様も多い製品です。ゲージ管はガラス製で、破損防止のため保護管で覆われており、保護管の窓からオイルの残量が確認できるようになっています。

 さて、このL型ゲージ、古くからあるだけに、色々な会社で製作されていたのですが、実は、二つの流派(派閥?)が存在します。弊社の『KLM-L型』標準品の写真及び図面は、こちらになります。

          

ご覧いただくと分かりますように、ネジ部分に対して正面に可視部があることが分かります。名付けて『可視部正面派』です。ここまで書けば、もう一つの流派もお分かりですよね?そう、『可視部側面派』です。そして、こちらが標準品であるメーカー様もあります。弊社も『KLM-L型 可視部側面』とご注文いただければ、対応はしているのですが、残念ながら、JIS

規格のように、規格の統一はなされず、二つの流派は、どちらが正統派なのか、互いに譲ることの無いまま(?)、今日まで至りました。


 このような熾烈な流派の争いに一石を投じたのが、某企業様からのふとした一言です。「どちらからも液面が見れたら便利なんやけどな。」これにより、『可視部正面派』でも『可視部側面派』でもない第3の流派『可視部4面派』が誕生しました!

 このゲージは、ガラスを保護する部分が少なくなる代わりにどちらからでも見えることが特徴となります。まさに『守るより、攻めろ』の精神ですね。欠点は、加工がかなり難しいことです。何とか、長さ100までは、製作できそうな目途は立っていますが、逆に200以上はできそうにないです。今は、125と150の加工と、短いサイズの量産体制を検討中です。開発中の案件ですので、ご要望がございましたら、お問い合わせいただければ幸いです。よろしくお願い致します。





部品のみの販売について

  11月もあとわずかになりました。弊社の製品は受注生産品が多く、納期がかかるものもございます。今年中に製品がご入用の場合は、この時期から注文を頂けますと幸いです。

 

 さて、今回ご質問頂いておりますのは、オイルゲージの部品のみの購入は可能か?というものです。

まずご理解頂きたいのは、弊社としては部品販売を推奨していないということです。弊社のオイルゲージは漏洩検査や外観検査を行っておりこれらの検査もメーカー責任の一部と考えております。メンテナンスによる交換の際は新しいオイルゲージをご注文して頂きたいのですが、やはり不慮の事故が起きてしまい部品だけが欲しいということもあるかと思います。締付トルクを間違えてボルトが折れた、誤ってゲージを落としてしまいガラス管が破損した、フロートを紛失した…等々

この様な場合に対し、比較的交換が容易で、交換頻度が高いと想定される部品に限り販売を行っております

ここでは、特に多くご質問を頂く型式で販売可能な部品を紹介していきます。

なお、原則として、部品を販売できますのは標準品に限られますのでご注意ください。

 

KLA

取付ボルト 温度計付取付ボルト

取付パッキン

フロート

 

KLPC型系統

取付ボルト(ワッシャ付)

取付パッキン

フロート

ゲージ管

    本体に内蔵されていますOリングの販売は行っておりません

 

KIM

取付パッキン(ネジ部についているパッキンです)

    ガラス窓に付いているパッキン(窓枠パッキン)の販売は行っておりません

 

KLM-L型・I

フロート

ゲージ管 (上下のシールパッキン2個付)

シールパッキンのみの販売も可能

KLM型系統

取付ボルト 温度計付取付ボルト バルブ付取付ボルト

オイルゲージ表に付いているパッキン (上下のボルト首元に付いています)

オイルゲージ裏に付いている取付パッキン

ゲージ管(上下の保護パッキン2個付)

保護パッキンのみの販売も可

 

 

最後に、部品の販売はあくまで弊社製品をご使用のお客様に対しての販売になります。弊社には他メーカー様の相当品に当たる製品がありますが、部品に関しましては寸法などの違いで相当品とはなりませんのでご注意下さい。

PFAに指示線は入るのか?

  最近、熊の被害に関するニュースが増えていて怖いですね。なぜ、熊はかわいいカテゴリーに入っているのでしょう?(ティディベア、プーさん、リラックマ、すみっコぐらし etc...確かにみんなかわいいけど・・・。)誰か教えてください。

 

 さて、協和の主力製品の一つとして、KLPC型が挙げられます。中でもフッ素樹脂をゲージ管に使用した、『KLPC-PFA型』は、耐薬品性が高く、幅広い用途で使用されております。

 そんな万能型のPFA型なのですが、その耐薬品性ゆえにインクをはじいてしまうため、指示線を入れることが困難です。協和でも、指示線の希望は、理由を説明してお断りしてきました。

 しかし、できないと言われると、何とかならないか、と思うのが、技術者・研究者というものです。十数年もの間、アイデアが浮かぶ度に検討し、ボツになることを繰り返した結果、何とか簡単には剥がれないレベルで指示線を入れることに成功しました。



 画像の通り、ポリカーボネートと同じように指示線が入っています。注意点としては、多少は剥がれにくくなっているものの、指示線に耐薬品性があるわけではないので、薬品に浸けたりすると剥がれます。後は、製作工程が、通常の指示線インク入れよりも面倒なので、かなりお値段が高くなってしまいます。 

 開発中の案件扱いとなっておりますので、通常販売はまだ行っておりませんが、需要がどの程度あるのかを知りたいということもあり、お試しで販売したいと思います。ご要望があれば、お問い合わせいただければ幸いです。少量ならば現段階でも製作可能ですが、要望が多ければ、量産体制を確立し、通常販売にこぎつけたいと考えています。

  



KLP・KLL型の締付トルクに関して

  朝晩がめっきり寒くなってきました。私も最近は早くも手袋をして出勤しています。年々秋が短くなってきている気がして寂しさを感じている今日この頃です。

 

 さて、弊社には多種多様な液体に対応するため、何種類もの製品をご用意しています。

ボルトでねじ込むタイプの製品については、カタログに取り付ける際に必要な締付トルクを記載しています。この基準を下回りますと締め付けが緩く漏れてしまう、オーバーしてしまいますと、本体が割れたり、ボルトが折れたりする可能性があります。

弊社が検証を繰り返し設定した数値になりますので、守って頂きたいのですが、トルク値が記載されていない製品が実はございます。その製品はKLP型とKLL型。今回はトルク値の記載がないKLP型・KLL型についてご説明致します。

 

KLP型・KLL型は本体自身がパッキンの役目を果たしている製品で、部品点数が少なく管理がしやすいことから多くのお客様に愛用して頂いている製品です。KLP型が2点止め、KLL型は1点止めとなっています。個人的には協和の製品で唯一の赤い本体もカッコよくお気に入りです。ボルトにストッパーがついている為、止まるところまで締め付けて頂くと本体の突起部が機能しシールされます。

このような製品ですので、厳格なトルク管理を必要としない為、トルク値の記載がありませんが、締め付けすぎるとシール部の破損や本体及びボルトの断裂が発生してしまいます。

 

参考値になりますが締付トルクの目安を以下に記載します。

 

KLP型本体小型  2Nm程度   5Nm以上は破損の危険性あり。

KLP型・KLL型  5Nm程度  10Nm以上は破損の危険性あり。

KLL型には本体小型タイプはありません)

ご使用環境によって多少の調整をしてください。

例えば直射日光の当たる屋外で使用されている場合は紫外線によって樹脂が硬化してしまい破損しやすい状態になってしまいます。

 

 

本日はここまでです。次回も宜しくお願い致します。

ガラスのフッ素コーティング

 協和では、新製品開発に日々取り組んでいます。

 とはいえ、なかなかうまくいかないものも多く・・・。

 今日は、その中の一つ、フッ素コーティングの検討をご紹介します。

 

 オイルゲージの要望の一つとして『ゲージ管の汚れを防ぎたい』というものがあります。油の種類によってはゲージ管が汚れて残量が見にくくなるケースがあります。汚れを防ぐ目的だけで言えば、PFAパイプが最も良いのですが、半透明であるため、必ずしも見やすいわけではない点、また、比較的柔らかい素材であるため、弊社では、KLPC型にしか使えない点などが問題です。


 そこで、ガラスにフッ素コーティングをすることで、透明で見やすくて汚れにくいゲージ管ができると考えました。とはいえ、社内にコーティング技術があるわけではないので、どぶ付けすれば、化学反応でコーティングできる某社の製品を試しました。


 重油に➀PFA②フッ素コーティングガラス③ガラス(コーティングなし)④ポリカーボネートを浸けて、半年間放置しました。結果は、写真の通りです(余っているパイプを使ったので、サイズがバラバラです。)

 

上から➀PFA②コーティングガラス③ガラス④ポリカ
 

 ご覧いただくと、コーティングされている部分は汚れておらず、フッ素コーティングの効果が出ているのが分かります。
 
 
 これで商品化ができて大儲け・・・そう考えていた時期が私にもありました・・・。

 実は、こちらのコーティング剤、アルカリには弱いとのことで聞いていたのですが、実験していると、どうやら、油の成分として含まれる酸化防止剤にも弱いようで、コーティングが持続しないという結果になってしまったんですよね。油には大抵酸化防止剤が入っているため、用途がものすごく限定的になりそうだということで、あえなくボツとなったのでした。。


  ボツ案件担当者あるあるですが、まだどこかで諦めきれておらず、どこかで沢山使ってもらえそうな用途は無いかなあと思いながら過ごしております。
 

 
 






弊社のカタログやホームページに載っていない型式表記に関して

 11月となり、今年もあと2か月。1年というのは早いものです。

 

今回も皆様から寄せられるご質問の中でも特に多く頂戴する事項についてお話しします。

 

前回、KLA型の型式について解説しました。その際、最後に型式テンプレートを

KLA-サイズAD-指示線AC (M)紹介しました。

「あれ?今から出そうとしている見積りアルファベットがもう一つあるぞ?」

と困っている方、いらっしゃると思います。

例えば:KLA-100A-A-R-M10  のような形です。

 

このRは何なのか。というのが質問頂いている内容です。

 

KLA型やKLPC型など、フロートの入っている製品でRやBWなどのアルファベットが記載されていることがあります。

B:フロート黒(標準品) R:フロート赤 W:フロートナシ

という意味で使用されているようですが、弊社の正式な型式ではありません。

 

色で言いますと、オイルキャップKRM-AシリーズにもBRの表記が散見されます。

KRMシリーズには標準で赤・黒の2色があります。もう語らなくてもおわかりでしょうが、

B=黒 R=赤を表しているようです。

なお、正式な型式例は KRM-A2  となります。

 

他では、KLPCKLPD型など本体小型がある製品にはsが記載されていることがあります。

例を挙げると

KLPD-150-M10-sのような型式です。s=本体小型を表しています

こちらも弊社での正式な型式ではなく、KLPD-150(M10) 本体小型と表記するのが本来の型式です。

 

 

ではどこからこの表記が出現したのかと言いますと、とあるECサイト様がわかりやすくするために、独自でつけられた型式のようです。その結果、弊社の正式な型式と同様に認知されていっているようです。流石ネット社会。有難いことに、こうしたECサイト様に掲載されることによって、弊社の認知度も上がり、より多くのお客様に弊社製品をご利用いただいていますが、一方で型式についての質問も増えていることも事実です。型式がわからない時はここの内容を思い出して頂ければ幸いです。

 

 

本日はここまでです。ありがとうございました。

 

第3流派の誕生~どちらからでも見える~

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